台風が接近してきたら何をすればよいのか?
マンションの台風対策として備えるポイントは、前回記事でご紹介しました。
今回の記事ではマンションの台風対策を具体的に見える化した「今すぐ使えるチェックリスト」をご紹介します。
チェックリストは全部で3種類。
- 台風襲来直前チェックリスト 管理員用
- 台風襲来直前チェックリスト 居住者用
- 台風通過後チェックリスト 管理員用
実は、りす丸が管理員として重要視しているのは、台風通過後の事後チェックです。
嵐が過ぎ去って一息つきたいところですが、そうはいきません。
設備は影響を受けていないか、損害は出ていないか、危険な場所はないか。
備えのための事前チェックと、被害確認の事後チェックをセットで実施するのが、マンション管理員の仕事です。
【この記事でわかること】
- マンションの台風対策で使える3種類のチェックリスト
- 管理員用・居住者用チェックリストの使い分け
- 台風通過後に管理員が確認すべき5つの点検ポイント
- 台風後の仕事を「点検→仕分け→応急→報告」の4ステップで進める方法
- 住民の安心につながる報告のポイント
マンションの台風の事前の備えチェックリスト
前回の記事「マンションの台風対策|現役管理員が教える事前準備と備え方【風・雨・飛来物】」で解説した、チェックポイントを具体的にリスト化しました。
台風直前チェックリストは「管理員用」と「居住者用」の2種類。
このリストに沿って、管理員は共用部、居住者は専有部、それぞれの役割分担で直前チェックをすれば、備えはOKです。
ぜひ、PDFをダウンロードして、台風シーズンに活用してください。
\台風対策のポイントはこちらの記事で詳しく解説しています/
マンションでは台風通過後の事後チェックが重要
どんなに強い台風でも数時間もたてば通過していきます。
しかし、管理員の仕事は、台風通過後が本番。台風の影響や損害は、実は目に見えないところで起きているものなのです。
管理員が事後チェックでまず心がけるのは、「安全の確認」です。
台風事後点検チェックリスト|現役管理員の実物

台風の後、管理員の仕事は4ステップ|点検→仕分け→応急→報告

建物と敷地をひと回りして、被害を洗い出します。このとき効いてくるのが、台風の前に撮っておいた写真です。前と後の写真がそろって初めて、「この破損は台風によるもの」と示せます。保険対応の生命線です。
見つけた不具合を、「いま自分で対処できるもの」と「修繕を依頼するもの」に分けます。飛散物の撤去や排水口の清掃はその場で片付ける。屋根材のめくれや外壁のクラックは、業者の領分です。
ここが大事なところです。修繕には見積・発注・施工と、早くても数日、ものによっては数週間かかります。その間、管理員にできて、かつ一番効くのは危険の隔離——トラテープを張る、カラーコーンを置く、注意看板を出す。「直す」より先に、「近づかせない」。
そして、最も重要なのがこれです。点検の結果、応急措置をした箇所、修繕の手配状況を、掲示板で住民に見えるようにする。被害がなかったときも、「点検済み・異常なし」を掲示します。
管理員の報告は3か所にする

事後チェックで不具合や損傷を発見した場合には、即修理をする、というよりも、安全確保の上、まずは3か所への適切な報告を行います。
①管理会社に報告
不具合や損傷個所を発見したら、まずは管理会社に連絡。
そのうえで、できるだけ速やかな修理や点検を依頼します。しかし、台風直後は他のマンションでもトラブルが発生していてフロント営業はとても忙しい状況です。
報告確認の上、管理員が直接点検修理の手配をすることも少なくありません。
②管理組合に報告
管理会社同様に、管理組合(理事会)に連絡。点検修理は修繕費などの管理組合が負担する費用に直結します。
③住民に報告
実は、この住民への報告が一番大切です。
もしも損傷して危ない箇所があったら、虎縞のテープで囲い、注意喚起の貼り紙などを掲示します。
また、事後チェックの状況を掲示板でお知らせをすれば、住民の安心につながります。
「報告済みです」は住民の安心感につながらない
管理員初心者のころ、住民から破損個所を指摘されて「それは管理会社に報告済みです」と簡単にこたえてしまいました。
しかし、返ってきたのは「じゃあ、いつなおすの?」という厳しい一言でした。
住民は「今すぐ直せ」と言っているのではなく、気付いているかどうかの確認と、安全確保のお願いだったのです。
それ以来りす丸は、事後チェックの状況を掲示板でお知らせするようにしました。

事後チェックを徹底するきっかけになった出来事

管理員初心者の頃は、台風明けの事後チェックを実はそれほど重視していませんでした。
しかし、ある時突然、雨水槽満水警報が発報。ブレーカーがトリップしてポンプが稼働しなかったために発生したトラブルです。
そして、ブレーカートリップの原因は、前週にあった台風でした。
台風時の極端に湿度が高い外気が、換気によって冷えた電気室内に流れ込み、金属機器の表面で一気に結露。これがブレーカーダウンを引き起こしていました。
せめて数日前にでも電気室の点検を行っていれば、ポンプ未稼働は防げたはずです。
そして、この台風トラブルは管理員の巡回でしか気づくことができないものでした。
この失敗以降、台風通過後はいつもよりしっかりと設備巡回チェックの徹底を心がけるようになったのです。
まとめ
マンションの台風対策は、台風が来る前の備えだけでは終わりません。
管理員は、台風が通過したあとに建物や設備を点検し、安全を確認して初めて一連の業務が完了します。
今回ご紹介した3種類のチェックリストを活用すれば、
- 台風前の備え
- 台風後の点検
のどちらも漏れなく確認できます。
また、管理員の仕事は「修理すること」だけではありません。
危険箇所を明示し、住民へ状況を伝え、安心して暮らせる環境を維持することも大切な役割です。
ぜひチェックリストをダウンロードして、今年の台風シーズンに役立ててください。
台風対策についてよくある質問
- マンションの台風対策は何日前から始めればよいですか?
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台風の進路が予報で見え始める2~3日前から準備を始めるのがおすすめです。ベランダの飛散物の片付けや排水口の清掃は早めに済ませ、管理員は共用部の排水設備や飛散しやすい物の確認を行いましょう。台風前日に最終チェックを行うと安心です。
- マンション管理員は台風のあと何を点検しますか?
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管理員は建物や共用部の安全確認を最優先に行います。屋上や外廊下の排水口、フェンス、駐輪場、外壁、エレベーター、給排水設備などを巡回し、被害の有無を確認します。その後、応急措置や管理会社への報告を行います。
- 台風のあと、管理員が最初に行うべきことは何ですか?
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最優先は「安全確認」です。危険箇所を発見した場合は、修理を急ぐのではなく、まず虎テープやカラーコーン、注意看板などで立ち入りを制限し、被害の拡大を防ぎます。その後、管理会社や専門業者へ連絡します。
- 理員は自分で修理してもよいのでしょうか?
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軽微な清掃や飛散物の撤去は対応できますが、外壁の破損や設備の故障など専門的な修繕は管理員が行うべきではありません。管理員の重要な役割は、安全を確保し、状況を記録して、適切に専門業者へ引き継ぐことです。
- 台風後は住民へのお知らせも必要ですか?
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はい。管理会社へ報告するだけでは住民は状況が分かりません。点検結果や応急措置、修繕予定を掲示板などでお知らせすることで、「管理員が確認して対応してくれている」という安心感につながります。
- チェックリストは誰が使うものですか?
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本記事では、「管理員用」「居住者用」「台風通過後の管理員用」の3種類を用意しています。管理員は共用部の点検に、居住者は専有部の備えに、それぞれ活用できます。
- 台風後の事後点検はなぜ重要なのですか?
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台風による被害は、強風や大雨が止んだあとに見つかることも少なくありません。排水設備の異常や漏水、設備機器の不具合などは、時間が経ってから発生する場合もあります。そのため、台風前の備えだけでなく、通過後の点検まで行うことがマンション管理では重要です。



