管理費未払いの時効を過去問から解説 【管理業務主任者試験】勉強レポート Vol.5(7/20号)

【管理業務主任者試験】勉強レポート Vol.5(7/20号) 管理費未払いの時効を過去問から解説
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65歳の管理業務主任者試験チャレンジ、今週の勉強で気になったワードは「時効」です。
時効についての過去問を勉強していて、以前勤務していたマンションで管理費未払いの居住者がいました。
しかも、管理費が未払いでありながらも実際に居住していて、管理室にあれこれ要望を言いに来る方でした。

その時は結局1年後に訴訟となりましたが、あの時の記憶を「時効」の勉強で思い出しました。

【今回学んだこと】

  • 管理費・修繕積立金の消滅時効は「5年」
  • 時効は滞納者本人が「時効を宣言(援用)」して初めて成立する
  • 時効の利益は完成前には放棄できないが、完成後なら放棄できる
  • 地上権や地役権のような権利も、一定の条件を満たせば時効によって取得できる
  • 管理会社の対応範囲は「報告と督促」まで。実際の督促は理事長・管理組合の役割

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管理業務主任者試験挑戦記

目次

今週(7/13~7/19)の勉強時間と学習の進捗

目標勉強時間300時間
今週の勉強時間18時間(1日当たり約3時間)
累計勉強時間94時間
目標までの残り時間残り206時間

今週勉強できたのは6日間、毎日3時間の朝勉強ができました。
勉強時間だけは順調に消化していますが、いまだ法令関係で足踏み状態です。
なかなか、勉強が進んでいる実感がもてません。

管理業務主任者試験の過去問で「時効」を学ぶ

民法については、Vol.3の用語チャート編でいったん区切りをつけていました。
ただ、区分所有法の過去問演習を進めるうちに、「時効」というテーマだけは管理費滞納という現場感覚と直結していて、避けて通れないと感じました。
今回はあえて民法に立ち戻り、この過去問を深掘りします。
管理費の未払い問題は、多くのマンションで発生しています。うっかり払い忘れから、悪意をもった未払いまで。りす丸も何件か対応した経験があります。
改めて勉強して、管理費の時効の法的内容を知りました。

時効に関する2020年の過去問題

※2026年版出る順管理業務主任者過去問題集からの出題です。

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【設問】
時効に関する記述のうち最も不適切なものはどれか?

【選択肢】
1.消滅時効が完成し、時効が援用されて権利が消滅すると、最初からなかったものとされる。
2.時効の利益は、時効完成後には放棄することはできない。
3.債権者が債務者に対して金銭の支払を求めて訴えを提起した場合に確定判決によって権利が確定した時は時効が更新される。
4.地上権や地役権についても、時効による権利の取得が認められる。

「管理費の時効は5年」これは知っていました。
しかし、この設問の選択肢は文章が難解です。またも法令問題マジックに悩まされています。

選択肢1 「時効が援用されて権利が消滅」とは

「時効の援用」、言葉の意味が分かりますか?
わかりやすく通訳をすると、滞納者が「時効なので、もうそのお金は払いません!」と管理組合に対して正式に宣言することです。
管理費不払いの時効は5年ですが、5年が過ぎただけでは自動的に消滅しません。滞納者本人が時効を主張して、初めて成立するのです。

たとえば、時効の5年を過ぎても管理組合は「払ってください」と請求できます。そして滞納者が「忘れてた、払うよ」といえば受け取ることができるのです。

この選択肢は「適切」です。

選択肢2 「時効の放棄」とは

「時効の放棄」とは、正確には「時効の利益の放棄」です。
時効が成立して援用すると未払い分の管理費は払わなくてもよくなりますが、その特権を放棄して、「ちゃんと払います」と宣言することです。

時効の成立前は、民法上の時効の権利は放棄できません。
もし、時効成立前に「時効は適用しません」という主張が成立してしまうと、立場の強い人やずるい人に騙されて、立場の弱い人が一生借金から逃れられなくなってしまう恐れがあるからです。

逆に、時効成立後に「やっぱり払います(時効の放棄)」は成立します。

この選択肢は「不適切」です。

選択肢3 「確定判決によって権利が確定した時」とは

「確定判決によって権利が確定した時」この文章も通訳します。
確定判決とは、管理組合が未払いに対する訴訟に勝って滞納者が反論できない状態になったことを意味します。

そして、この判決が確定したタイミングで時効はリセットされる決まりです。

たとえば裁判が長引いて時効まであと1年、となっても。判決が確定したら、その時にリセット!翌日から、全く新しい時効のカウントダウンがスタートします。
しかも、「確定判決」によって時効が更新された場合に限り、新しい時効期間は5年ではなく「10年」に延びます。

この選択肢は「適切」です。

選択肢4 地上権・地役権は時効取得できる?

選択肢の意味は理解できましたか?

地上権他人の土地に、建物(マンションや一戸建て)や工作物を建てたり、木を植えたりして使うことができる権利
地役権他人の土地を通行させてもらったり(通行地役権)、水道管を通させてもらったり、日当たりを確保させてもらったり(高層建築を制限する地役権)する権利

これらの権利が時効によって取得できるという意味です。
本来は、これらの権利は土地のオーナーと「契約」を結んで設定するものです。しかし、契約をしていなくても、長年使い続けて時効を迎えると、法律上「あなたにはその権利があります」と認められます。
ただし、時効による権利の取得を認められるには条件があります。

  • 取得する意思が明確なこと
  • 平穏かつ公然と使用し続けていること
  • 一定の期間が経過すること

「平穏かつ公然」とは、たとえば勝手に土地を使用していて「出て行け」とか訴えられたりしている場合は平穏とは言えません。
さらに、夜中などにこそこそ使用している場合は公然とは言えません。

また、一定の期間とは自分の土地と思い込んで平穏に使用していた場合には10年間、他人の土地と気づいていても20年間経過をすれば時効が成立して権利取得が可能になります。

実際に権利取得に至るには、なかなかハードルが高い法律規定ですが、時効による権利取得は可能です。

この選択肢は「適切」です。

りす丸が選んだテキスト。過去問題集と連動していて勉強しやすいです。

民法の「時効」のポイントを整理する

民法の「時効」のポイントを整理する

時効とは、「ある事実上の状態が長期間続いた場合に、その状態をそのまま正式な法律上の権利関係として認める制度」です。
そして、認められる権利には、

  • 消滅する権利
  • 手に入る権利

の2種類がありました。

①消滅する権利

権利が消滅することを「消滅時効」といいます。
一定期間、権利を使わずに放置していると、その権利が消えてしまう仕組みです。

例:マンションの管理費や修繕積立金は、支払期日の翌日から5年間放置すると時効にかかります。

②手に入る権利

一定期間、あたかも自分の権利であるかのように堂々と振る舞い続けていると、本当にその権利が自分のものになる仕組みです。

例:他人の土地であっても、最大20年間平穏かつ公然と使い続ければ、その土地の所有権や地役権を時効取得できます。

まとめ|時効は「消滅時効」と「取得時効」を理解しよう

今回の過去問は1問でしたが、「時効」というテーマがここまで奥深いとは思っていませんでした。
時効には権利が消える「消滅時効」と、権利が手に入る「取得時効」の2種類があり、管理費滞納のような身近なテーマにも直結しています。用語の意味を一つひとつ丁寧に読み解けば、法令問題も決して手強いだけではないと実感できた回でした。

今回学んだ消滅時効を、実際のマンション管理の現場(滞納者・管理組合・管理会社それぞれの立場)にどう当てはめるかを解説した記事は、「管理組合運営のヒント」カテゴリーとして同時公開しました。あわせてご覧ください。

法令関係の勉強は、日々の管理業務に置き換えてみると理解しやすくなります。
来週は法令編の勉強のまとめをする1週間にします。

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