マンション共用階段で漏水発生|白い筋(エフロレッセンス)は危険なサイン

マンション共用階段で漏水発生|白い筋(エフロレッセンス)は危険なサイン
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屋内階段の踊り場で水たまりを見つけました。
見上げると、天井と壁の境目から水が漏れていて、白く濁った筋が壁を伝っていました
「これは危険なサインだ」
りす丸は、その場でそう直感しました。
この白く濁った水は、「エフロレッセンス」と呼ばれる現象です。壁内のコンクリート中の水酸化カルシウムが、浸水の影響で溶け出して表面に現れたものです。
今回の記事では、管理員が漏水現場で発見した危険なサインと、現場で取るべき対応について実際の経験をもとにまとめます。

【今回の記事でわかること】

  • 漏水箇所に現れる白い跡(エフロレッセンス)が示す危険性
  • 漏水発見時に管理員がとるべき初期対応と、絶対に避けるべき対応
  • コーキングで穴埋めしてはいけない3つの理由
  • 現場の状況だけで漏水原因をある程度推測する視点
  • 巡回で見落としがちな”死角”のパターン
目次

管理員が発見した漏水は「エフロレッセンス」だった

巡回中に屋内避難階段の最上階踊り場に水たまりを発見しました。
たどってみると天井と壁の境目から水漏れがしています。
しかも、漏れている水は白く濁っていて、よく見ると少し粘り気がありました。
「これはただの水漏れではない」──その場で「エフロレッセンス」だと直感しました。

エフロレッセンスとは

エフロレッセンスが染み出している壁

エフロレッセンスは、コンクリートや砂利の中に含まれる水酸化カルシウムが浸水した水に溶け出し、表面に移動して空気中の二酸化炭素と反応し、炭酸カルシウムとして析出する現象です。

白く濁っている水が染み出ているのは、コンクリートに水が浸透し、内部が劣化していることを示す危険なサインと考えられます。

エフロレッセンスがなぜ危険なのか

エフロレッセンスのメカニズムを解説するりす丸のイラスト

今回のように白華(白濁した染み出し)が発生している場合、

  • 外壁のクラック
  • 屋上防水の劣化
  • シーリングの破断
  • 配管貫通部からの浸水

などが隠れている可能性があります。

また、水漏れが長期間が続けば、

  • 鉄筋腐食
  • 内部のカビ発生
  • コンクリートの劣化

につながります。
管理員としては、「白い筋=ただの汚れ」ではなく、「建物が出している警告サイン」として捉える必要があります。

エフロレッセンスを発見した時に管理員がとるべき初期対応

エフロレッセンスを発見した際に、管理員として「やるべきこと」と「やってはいけないこと」をまとめました。

やるべきこと

漏水対応で管理員がやるべきこと

管理員としてやるべきことはシンプル、これ以上漏水の被害を広げない応急措置と管理会社への連絡です。

被害を食い止める応急処置

まずは濡れた床をふき取って、水を受け止めるバケツなどを設置します。
水漏れ箇所からビニール袋などを使用して排水口まで水滴を誘導するのも効果的です。

写真を取って記録を残す

まずは漏水状況の写真をしっかりと残すことが重要です。

  • 水漏れ箇所
  • 白く濁った水の状況
  • 床の水濡れ状況
  • 漏水現場の全景

この4点があれば状況はかなり詳細に伝わります。
また、発見した日時や天候も必ず記録として残します。

管理会社へ速やかに報告する

今回のエフロレッセンスのケースは、速やかに報告すべき事案です。
単に「漏水が発生しました」だけではなく、水が白濁している状況、管理員としての見立てをしっかりと伝えて、フロント担当にも危機感を持ってもらうことが重要です。

\初期動作・漏水の原因・保険・責任の所在などマンション漏水対応の全体像はこちら/

やってはいけないこと

「水が漏れているから止めればいい」、今回のケースではこの考えは厳禁です。

管理員の判断で、漏水箇所をコーキングなどで塞ぐなどの応急処置は絶対にやってはいけません
一見すると応急処置として有効に見えますが、実際には大きな問題を引き起こす可能性があります。

水漏れ箇所を塞いではいけない理由

理由① 水の出口が変わる

出口を塞ぐと、水は別の場所へ移動します。
ダウンライトや壁面の別の箇所から突然漏れ出すこともあります。

理由② 天井裏に水が滞留する

水の逃げ場がなくなることで、見えない場所に水が溜まります。
カビの発生や天井材の劣化を招く可能性があります。

理由③ 原因調査が難しくなる

漏水調査では、水の流れ方が重要な手掛かりになります。
出口を塞いでしまうと、侵入経路の特定が困難になることがあります。

最悪のケースでは、塞いだ内側にたまった水がプレッシャーとなり、壁や天井が崩れてしまう危険があります。

今回の漏水の原因と状況を現場から推測する

今回の漏水にはいくつかの特徴がありました。

①雨天時のみ発生していた

給水管・排水管からの漏水ではない可能性が高い(これらの配管なら天候に関わらず発生するはずです)

②エフロレッセンスが床近くまで伸びていた

今回が初めての漏水ではなく、以前から繰り返し発生していた可能性がある(一度の漏水だけでは、ここまで筋が伸びることは考えにくいためです)

③発生場所が最上階だった

屋上からの雨水浸入の可能性がある(屋上防水層の劣化やドレンの詰まりなどが疑われます)

これらはテキストやマニュアルには載っていない、現場でしか得られない判断材料です。
もちろん、これだけで原因を断定することはできません。しかし現場状況から仮説を立てることはできます。

りす丸

屋上もしくは屋内避難階段に面している壁面の防水シーリングに問題があると推測しました。しかし、大規模修繕工事はわずか3年前。少し疑問が残ります。

管理員として巡回で発見できなかった後悔

漏水の水たまりを見つけて反省しているりす丸のイラスト

今回の漏水を発見したとき、私が最初に感じたのは建物への不安だけではありませんでした。管理員としての反省です。

漏水箇所は最上階の避難階段付近でした。
屋上へつながる階段ですが、普段は住民が利用することはほとんどありません。
そのため巡回の際も、「異常がないことを確認する」程度で通り過ぎてしまうことが多くなっていました。

さらに現場は少し薄暗く、壁は白色です。
エフロレッセンスによる白い筋も壁になじんでしまい、目立ちません。
今振り返ると、かなり前から兆候は出ていたのかもしれません。

そして何より反省しているのは、雨の日の巡回が不足していたことです。
マンション管理員の仕事は毎日同じように見えても、天候によって建物の表情は大きく変わります。
晴れの日には分からなくても、

  • 漏水
  • 排水不良
  • 雨樋の詰まり

などは雨の日でなければ見つけられません。
今回の漏水も雨天時だけ発生していました。

りす丸

雨の日にもっと意識して巡回していれば、もう少し早く発見できたかもしれません。

まとめ:白い濁り水は危険なサイン

今回見つけたエフロレッセンスは、見た目以上に、マンションの構造維持に関わる重大なサインです。
これまで見逃していたかもしれない、巡回の精度についても反省する出来事でした。
報告だけで終わらせず、管理員自身がこの危険性を正しく伝え、管理会社・管理組合を動かしていく。
それも、現場を知る管理員の役割の一つだと思います。

今回は、エフロレッセンスという現象と、その場での対処法に絞ってまとめました。
ただ、実際の現場では、発見から報告に至るまでの間に、管理員としての迷いや判断もありました。

りす丸

次回記事では、この裏側にあった葛藤についてお話したいと思います。

▶ 漏水への損害保険の対応を知りたい
漏水トラブルの責任の所在と保険対応

▶ 今すぐ漏水対応が必要
初期対応マニュアル(管理員の実務)

▶ 漏水トラブルの具体的な対応を詳しく知りたい
原因特定と応急措置
知っておくべき初期動作と火災保険
管理室に常備すべき漏水7つ道具

▶ 排水管漏水への対応を知りたい
排水管の水漏れ対応(原因・責任・初期対応)
排水管メンテナンスキット

▶ 共用部の危険な漏水

共用部屋内階段でエフロレッセンス発生

エフロレッセンスについてのよくある質問

エフロレッセンス(白華)は自然に消えることはありますか?

表面に出ている白い粉自体は、乾いた状態であれば多少薄くなることもあります。ただし、これは見た目の変化であり、内部の漏水原因が解消されたわけではありません。再発を繰り返すケースが多いため、消えたからといって安心はできません。

白い跡を自分で拭き取ってしまっても良いですか?

記録用の写真を撮る前に拭き取ってしまうと、状況確認や原因調査の手がかりが失われてしまいます。気になる場合も、まずは写真を残してから、管理会社の指示を待つのが安全です。

漏水の原因はどのくらいで判明しますか?

今回のように雨天時のみ発生するケースでは、原因特定に散水試験や赤外線調査など、天候や業者の手配状況に左右される調査が必要になることが多く、数週間単位の時間がかかる場合もあります。

大規模修繕をしたのに、なぜ漏水が再発するのですか?

防水工事から数年が経過していても、シーリングの劣化や、修繕範囲に含まれていなかった部分からの浸水など、原因はさまざまです。修繕済みという事実だけで、漏水の可能性を除外することはできません。

この修繕費用は誰が負担するのですか?

共用部分の漏水であれば、原則として管理組合(修繕積立金など)からの負担になるケースが多いです。ただし、施工不良が原因と判明した場合は、施工会社側の責任が問われることもあります。最終的な判断は、調査結果をもとに管理組合・管理会社で協議されることになります。

修繕に損害保険は適用できますか?

漏水の原因が、災害やアクシデントによる破損等であれば損害保険の対象となる場合もあります。しかし、経年劣化が理由の場合には原則適用されません。
保険対象の可否は、詳細な調査によって判断されます。

マンション共用階段で漏水発生|白い筋(エフロレッセンス)は危険なサイン

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