今回の学習テーマは「長期修繕計画と修繕積立金」です。
りす丸のマンションでも、管理組合が依頼した建築事務所から、新しい長期修繕計画の説明がありました。その結論は「修繕積立金を大幅に値上げする必要があります」。説明会に参加した理事の皆さんは、かなり動揺していました。
修繕積立金の値上げは、既存のマンションで生活している住民の深刻な課題として、ニュースなどでも取り上げられています。
今回の勉強では、国土交通省の資料と過去問を参考に、この二つの関係を整理していきます。
【今回学んだこと】
- 長期修繕計画は国交省のひな型に沿って作られている
- ひな型の順番が、そのまま計画を作る手順になっている
- 計画期間は30年以上、見直しは5年程度ごと
- 出題は4つのテーマに分けて整理できる
今週(10/26~11/1)の勉強時間と学習の進捗
| 目標勉強時間 | 300時間 |
| 今週の勉強時間 | 14時間(1日あたり約2時間) |
| 累計勉強時間 | 268時間 |
| 目標までの残り時間 | 残り32時間 |
目標300時間の達成は、もう目の前です。しかし、りす丸自身の勉強が合格ラインに達しているかと言えば、とても不安です。
試験までの約1ヶ月間は、自分を信じて勉強し続けるしかありません。
「長期修繕計画」とは

長期修繕計画とは、マンションの建物本体や各種設備(屋上防水・外壁塗装・給排水管・エレベーターなど)を将来にわたって良好な状態で維持管理するために、今後30年でどのような修繕工事が必要となるか、その時期と概算費用をあらかじめ予測・計画した長期的なスケジュール表のことです。
国土交通省の標準様式・作成ガイドラインを参考に作成されます 。
\大規模修繕工事に関しては、こちらの記事にまとめています/
国交省のひな型を開いてみる
| 様式 | 項目 | 何が書いてあるか |
|---|---|---|
| 第1号 | マンションの建物・設備の概要等 | 建物・設備、管理・会計の状況 |
| 第2号 | 調査・診断の概要 | 劣化の状況、区分所有者の要望 |
| 第3-1号 | 長期修繕計画の作成・修繕積立金の額の設定の考え方 | 計画期間・見直しなどの前提 |
| 第3-2号 | 推定修繕工事項目、修繕周期等の設定内容 | どの工事を何年ごとに行うか |
| 第4-1号 | 長期修繕計画総括表 | 年ごとの工事費と収支 |
| 第4-2号 | 収支計画グラフ | 収支のグラフ |
| 第4-3号 | 長期修繕計画表(推定修繕工事項目(小項目)別、年度別) | 項目別・年度別の工事費 |
| 第4-4号 | 推定修繕工事費内訳書 | 工事費の内訳 |
| 第5号 | 修繕積立金の額の設定 | 月々の積立金の額 |
出典:国土交通省「長期修繕計画標準様式、長期修繕計画作成ガイドライン及び同コメント」をもとにりす丸が作成
並べてみて気づいたのは、この順番がそのまま「計画を作る手順」になっていることです。
- 第1号:建物を知る
- 第2号:傷み具合を調べる
- 第3号:考え方を決める
- 第4号:工事と費用を年ごとに並べる
- 第5号:月々の積立金を出す
説明会で示された「大幅な値上げ」とは最後の第5号の数字です。
第1号から順にたどれば、その根拠が読めるしくみになっていました。
りす丸最初は「30年先のことまでは分からない」と思っていました。しかし、この計画が住民の負担に直結するので真剣に検討する必要があるのです。
\修繕積立金の相場は、こちらの記事にまとめています/
長期修繕計画に関する2025年の過去問題
※「2026年版 出る順管理業務主任者 過去問題集」より、令和7年度(2025年)問23の出題です。
【設問】
次の記述のうち、長期修繕計画作成ガイドラインによれば、最も不適切なものはどれか。
【選択肢】
1.計画期間を25年以上かつ大規模修繕工事が2回含まれる期間以上としている。
2.推定修繕工事項目の設定に当たって、修繕周期が計画期間に含まれないために推定修繕工事費を計上していない項目がある場合は、その旨を明示する。
3.修繕周期は、劣化する建物の部位や設備の性能・機能を実用上支障がない水準まで経済的に回復させることができなくなるまでの期間をいう。
4.修繕周期の設定に当たっては、経済性等を考慮し、推定修繕工事の集約等を検討する。
正解は1です。
ガイドラインでは、計画期間は「30年以上」で、かつ大規模修繕工事が2回含まれる期間以上とされています。
長期修繕計画は将来の修繕工事や修繕積立金を見通すための計画です。
そのため短い期間で作ると、2回目の大規模修繕工事や、設備交換などの大きな費用を十分に見込めない恐れがあります。
長期修繕計画の出題傾向を4つのテーマで考える


長期修繕計画に関連する問題は、複数の論点から出題されています 。
過去問から、主に出題されるテーマを4種類に分類して整理しました。
1. 計画期間・見直し周期
ガイドラインで定められた「数値」を直接問う、最も出題頻度が高いテーマです。
- 計画期間: 30年以上(かつ大規模修繕工事が2回以上含まれる期間)
- 見直し周期: 5年程度ごとに調査・診断を行い見直す
2. 計画の対象範囲と修繕周期
長期修繕計画に盛り込むべき工事の範囲や、周期設定の合理性を問うテーマです。
- 対象範囲: 敷地・共用部分・附属施設(共用部分の工事に伴う専有部分の工事を含む)
- 効率化: 仮設費用(足場等)を抑えるため、近い時期の工事を集約・まとめ発注する考え方
3. 修繕積立金との連動・積み立て方式
長期修繕計画を支える資金(修繕積立金)の設定に関するテーマです。
- 推奨方式: 均等積立方式(将来にわたって安定的に積み立てられるため望ましいとされる )
- 注意が必要な方式: 段階増額積立方式(将来の値上げ合意が難しく資金不足リスクがある)
- 見直しの連動: 計画の見直しと同時に修繕積立金の値上げ・改定の検討も行う
4. 管理組合の意思決定と手続き
標準管理規約や実務運用とリンクした、手続き面に関するテーマです。
- 決議要件: 計画の策定・変更、積立金の改定は総会決議が必要
- 主体性: 専門家(設計事務所やマンション管理士など)に委託しても、最終決定の主体は管理組合


まとめ:長期修繕計画を読み解く勉強は住民にも必要
長期修繕計画と修繕積立金について学ぶと、マンション管理では、目の前の設備の不具合に対応するだけでなく、将来を見据えた管理が必要だと改めて感じます。
日々の管理業務では、設備の異常や建物の劣化に気付くこともあります。そうした現場の情報も、適切な維持管理を考えるうえで大切です。
そして、長期修繕計画は、理事会が中心となって案を検討し、最後は総会で住民自身が決めなければなりません。
今回の勉強で居住者から修繕積立金についての質問や相談が多い理由がよくわかりました。
りす丸も、もっと勉強して、一緒に考えられるようになりたいと心から思いました。
建築・設備編は今回で一区切り。次回Vol.19からは試験直前の「おさらい」編、最初は苦手の民法です。













