マンションの天井から壁をつたって水滴がポタポタ落ちてきた。
漏水の発生です。
マンションでは、給水管や給湯管、排水管などの水の通り道になる配管が、壁や天井、床下に密接した形で張り巡らされています。
そして配管の老朽化や亀裂など、水漏れの原因は様々ですが、築年数の経過とともに漏水がおきる可能性は高まります。
- 天井から漏水したら、上階住戸からの水漏れ?
- もしも部屋の排水管が溢れたら、下の階に迷惑をかけてしまう?
- 水を止めるにはどうすればいい?
- 被害は誰が補償してくれる?
この記事では、漏水発見時の初期対応、管理員の役割、責任の所在、保険の使い方まで、現役管理員のりす丸が現場で実際に対応してきた経験をもとにわかりやすく解説します。
【この記事でわかること】
- 漏水が起きたときに最初の10分間でやるべきこと
- 漏水発生時の管理員がとるべき初期対応
- 漏水発生時の責任所在と保険対応
- 管理員・管理組合への連絡の仕方とタイミング

▶ 漏水への損害保険の対応を知りたい
漏水トラブルの責任の所在と保険対応
▶ 今すぐ漏水対応が必要
初期対応マニュアル(管理員の実務)
▶ 漏水トラブルの具体的な対応を詳しく知りたい
原因特定と応急措置
知っておくべき初期動作と火災保険
管理室に常備すべき漏水7つ道具
▶ 排水管漏水への対応を知りたい
排水管の水漏れ対応(原因・責任・初期対応)
排水管メンテナンスキット
マンションの漏水で住民ができることは本当に少ない

一戸建ての住宅であれば、とりあえず水道元栓を閉めれば水漏れは止まります。
しかし、マンションではそう簡単には行きません。
なぜならば、水漏れの原因が自分以外の住戸となるケースが多いからです。
漏水が発生したとしても、住民が直接天井や床の配管を確認するのは困難です。
そして、上階から水漏れしているとしても、他住戸の水道栓を勝手に締めるわけにはいきません。
マンション生活で漏水が発生した際には、実はお住いの住民が自分自身でできる手立てが本当に少ないのが現実です。
漏水したら住民が最初の10分でやるべきこと

天井や壁などに漏水を発見した際に最優先すべきは、水漏れの広がりを防ぐことです。
そのためにまず最優先すべき3つのアクションがあります。
- 自室の水道を止める
- 漏水の状況を記録する
- 即座に管理員に連絡をする
止水する
漏水を発見した段階では、自室からの水漏れか、もしくは他住戸からの水漏れなのかは判断できません。
しかし、これ以上のひろがりを防ぐために、まずは水道栓を止めましょう。
それで水漏れが止まった場合には、自室の給水管からの水漏れの可能性が高いと判断できます。
- キッチン・洗面台 など水も漏れ箇所が特定できている→ 個別の止水栓を閉める
- 水漏れ原因がどこか分からない → 専有部全体の止水栓を閉める
水道元栓はマンションではほとんどの場合玄関横のメーターボックス内にあります。

一般的なメーターボックス内の配置です。
共用感から枝分かれして、水道メーターにつながっているバルブを締めれば、自室の水道栓のみ止められます。
記録をする
漏水を発見したら記録を残すことをことを強くおすすめします。
| 記録する項目 | 記録する内容 |
|---|---|
| 漏水発生時間 | 発見した時間とその後の経過 |
| 漏水の状況 | 水漏れが継続して広がっている/水漏れは止まっている |
| 水漏れの量 | ジワジワ染みてきている/ポタポタ水滴が落ちている |
| 被害状況 | 天井・壁紙/家具や家電製品、衣服等への被害 |
そして重要なポイントは、スマホなどで写真をとっておくこと。
発生時の写真があることで、その後の水漏れの広がり具合や被害範囲が特定でき、のちの保険対応の際には査定の決め手となります。
また、水濡れした家電や衣服があればすべて写真をとっておくこと。
被害が特定できれば補償対象と判定できます。
りす丸重要なポイントは写真を撮っておくこと。
あたりまえのように思えるかもしれませんが、実際の対応では「写真がなくて発生時の状況がわからない」ということも少なくありません。
管理員に連絡をする
漏水を発見したら、即座に管理員に連絡をしてください。
管理員は漏水の連絡を受けたら、以下の手順で対応します。
- 居住者からの連絡を受理
- 漏水現場の確認
- 管理会社に連絡、対応を依頼
- 水漏れ原因の調査(水漏れ原因が自室内か、別住戸かを推定する)
- 応急的な止水対応(上階へ節水をお願いするなど)
- 管理会社に調査状況を連絡、今後の対応を確認する
管理員の対応は、マニュアルでは管理会社への連絡までとされている場合が多いです。
しかし、管理会社も専門業者も、すぐに駆け付けられる訳ではありません。
その間にも漏水被害は広がってしまいます。
そこで、りす丸は「水漏れ原因の確認」や「上階住戸への節水のお願い」など管理員としてできるだけの対応をするよう心がけています。
\漏水発生時の管理員が行う初期対応をまとめました/



管理員にとっても専有部の漏水は一大事。最優先で、できるだけの対応をします!
漏水が夜間や管理員不在の時に発生した場合
管理員が不在の時間帯は、マンション玄関や掲示板に貼られている「管理会社の緊急連絡先」に電話します。
多くの管理会社は24時間対応の緊急受付窓口を設けています。
管理員不在の場合は初期対応までに時間がかかります。
その際には、「まず止水をする」、「記録を取る」この2つの初期動作がさらに重要なポイントになります。


漏水の責任は誰にある?責任の所在によって火災保険の対応が違う


漏水が発生したら、まずは被害を最小限にくいとめること。
その後問題となるのが、漏水の責任の所在と被害復旧の補償(費用負担)です。
被害復旧では火災保険による保証適用が一般的ですが、原因によって保険対応にちがいがあります。
| 漏水の原因 | 責任の所在 | 復旧費用負担 |
|---|---|---|
| 自室の専有部配管 | 居住者 | 居住者が加入している火災保険 |
| 共用部の配管・設備 | 管理組合 | 管理組合が加入している火災保険 |
| 他住戸からの水漏れ | 加害住戸 | 漏水元の住民が加入している火災保険 |
「火災保険」という名称ですが、火災のほかにも、風災や水濡れ、対象物件の破損など補償範囲は幅広く設定されています。
ただし、マンションでの漏水に適用するには、補償内容に応じた特約への加入が必要です。
【漏水対応に関する特約】
| 特約名 | 補償される内容 |
|---|---|
| 水濡れ原因調査費用特約 | 漏水箇所を特定するための、壁・床の解体調査費や復旧費。 |
| 個人賠償責任特約 | 被害宅への賠償。修理費、家財の賠償、仮住まい費用など。 |
管理組合が火災保険で「個人賠償責任包括特約」に加入している場合には、専有部の漏水被害を補償することも可能です。
しかし実際に専有部被害に管理組合保険を適用するかは、マンション管理組合によって対応が違います。
- マンション管理組合が「個人賠償責任包括特約」に加入しているか
- 専有部漏水で管理組合加入保険で補償されるか
- 管理組合が方針として専有部の被害補償を認めているか
この3点は、いざという時のために管理組合への事前確認をおすすめします。
\マンション漏水の火災保険対応に関してはこちらの記事で詳しくまとめています/


住民も備えておくと安心|漏水対応グッズ
こちらの記事では、管理員が漏水対応に備えるべき「7つ道具」を紹介しています。


管理員が実際に現場で使っているグッズをもとに、住民の方が自宅で揃えておきたいアイテムを厳選して紹介しています。大規模な修繕は業者に任せるとして、漏水発生時の初期対応を乗り切るための最低限の備えです。
配管からの水漏れを一時的に止める「防水テープ」
給水管や排水管、水回りのひび割れなど、手が届く場所からの漏水であれば、強力「防水テープ」で水漏れを一時的にシャットアウトできます。
備えておくなら、業務用の超強力粘着「7colors 補修テープ」がおすすめです。
専門業者が補修するまでの期間を超強力防水テープの威力で止水



超強力防止テープで止水できれば、水回りがいつも通り使用できます
水滴の広がりをしっかり防げる 「吸水シート」
漏水元がわからなくても、水滴が落ちてくる場所に「給水シート」を敷けば、当面の広がりは防止できます。
吸水力にすぐれた業務用シートも数多く販売されていますが、管理員の経験では大型犬用のペットシートが最強!
漏水対策にも、キッチンの水撥ね対策にも威力を発揮します。
大型犬用ペットシートは吸水性抜群!落ちてくる水滴をすべて吸い取ります



ペットがいないお宅でも1セット常備がおすすめ。災害時対策にも役立ちます。
まとめ:マンションの漏水トラブルは「初動」が重要
マンション漏水への初期対応を整理します。
- まず止水・撮影・連絡の3ステップで初期対応
- 原因の場所(自室・上階・共用部)によって責任と費用負担が変わる
- 火災保険・個人賠償責任保険の内容を今すぐ確認しておく
- 排水管の異変は早めに対処。共用部への影響が出る前に管理員へ相談
- 防水テープや吸水シートの備えで初動を格段に楽にできる
漏水は「起きてから慌てる」ではなく、「初期対応を事前に知っておく」ことで被害を最小限に抑えられます。この記事を参考に、ぜひ備えてください。



「写真を撮っていた」「止水栓の場所を知っていた」「応急処置道具を備えていた」。この3つの準備が、その後の交渉や保険対応をぐっとスムーズにします。


▶ 漏水への損害保険の対応を知りたい
漏水トラブルの責任の所在と保険対応
▶ 今すぐ漏水対応が必要
初期対応マニュアル(管理員の実務)
▶ 漏水トラブルの具体的な対応を詳しく知りたい
原因特定と応急措置
知っておくべき初期動作と火災保険
管理室に常備すべき漏水7つ道具
▶ 排水管漏水への対応を知りたい
排水管の水漏れ対応(原因・責任・初期対応)
排水管メンテナンスキット










