こんにちは、マンション現役管理員のりす丸です。
お住まいのマンションは「分譲」ですか?それとも「賃貸」ですか?
りす丸は、実は分譲、賃貸の両方のタイプのマンションの管理員を経験しています。
住民の方や内見に来られる方に「管理員さんからは分譲と賃貸のどちらがおすすめ?」と聞かれることも少なくはありません。
管理員をしていると分譲と賃貸のそれぞれメリットとデメリットが見えてきて、とても難しい質問です。
りす丸の考えでは「どちらがおすすめか」ではなく、どちらがライフスタイルにフィットするのかではないでしょうか。
今回の記事では現役管理員が現場視点で感じた分譲と賃貸それぞれのメリットとデメリット、そして、選択をする際のチェックポイントまで、わかりやすく解説します。
データで見る「分譲」と「賃貸」それぞれを選んだ理由

分譲マンションと賃貸マンション、現在居住している方は、どのような理由で選んだのでしょうか。
そして、どのような方が分譲、あるいは賃貸を選ぶ傾向があるのでしょうか。
などのインターネットで公開されているマンションに関するオープンデータをもとにりす丸なりに考察してみました。現役管理員の主観を交えた記事なので参考としてお読みください。
データから見る「分譲と賃貸を選ぶ人の傾向」
「マンションを買う方」と「賃貸に住み続ける方」、どちらが正解ということはありませんが統計データをよく見ると、その傾向が浮かび上がってきます。
分譲マンションを選ぶ方の特徴
国土交通省の「令和5年度 住宅市場動向調査」によると、分譲マンション購入者の平均年齢は44.6歳。最も多いのは30代〜40代の子育て・働き盛り世代です。世帯人数は平均2.8人となっており、多くが「夫婦+子供」あるいは「共働き夫婦」での購入が多くなっています。
また、リクルートの調査では、平均世帯年収が1,000万円を超えるケースも珍しくなく、特に共働きで高額なローンが組める「パワーカップル」が大都市圏を中心に増加しています。
分譲マンションを購入する方は、この先20年、30年を見据えた長期的なライフプランを立てている方が非常に多いと感じます。
りす丸それだけマンションへの愛着やこだわりも大きいのですね
賃貸を選び続ける人の特徴
一方で賃貸マンションに住む方々の平均年齢は39.6歳。分譲よりも若年層が多く、世帯人数は平均1.8人です。半数以上(約54%)が単身世帯であり、ライフスタイルが確立される前、あるいはあえて固定しない層が多いと考えられます。
また、賃貸住宅の平均居住期間は約5. 3年で、分譲マンションの平均(約10〜15年以上)に比べると短期間で移転する傾向が見られます。
「家族構成や仕事の変化に合わせて、住まいを最適化し続けたい」という柔軟性を重視する傾向があるのではないでしょうか。



住まいよりもライフスタイルを重視している方が多いのかもしれません
「分譲」と「賃貸」それぞれの選択ポイント
「令和5年度 住宅市場動向調査」のデータを基に、分譲マンション購入者と賃貸住宅入居者が「何を決め手に選んだのか」そのポイントを比較表にまとめました。


【選択ポイントベスト3】※複数回答のため合計は100%を超えています。
~分譲マンション購入者~
第1位 住宅の立地条件(交通利便性)72.2%
第2位 住宅の設備・間取りが良い 35.9%
第3位 適切な住宅価格 29.2%
~賃貸マンション購入者~
第1位 家賃が適切であること 54.9%
第2位 住宅の立地条件(交通利便性)39.5%
第3位 周辺環境(治安・買い物等)が良い 26.6%
分譲派の選択ポイントは交通利便性などの立地条件と設備・間取りなどの住環境条件、対して、賃貸派は「家賃が適切であること」が過半数を超えています。
これは、りす丸が思うに、分譲派はマンションを将来を見据えた「人生の拠点投資」、賃貸派は今の収入とのバランスを考えて「賢い消費」と考えているからではないでしょうか。
また、マンションの管理面への意識の違いもデータから考察できます。
【「管理が良さそう」の順位】
分譲マンション購入者:第 6 位(14.5 %)
賃貸マンション入居者:第10位(5.3%)
分譲派の方にとってはマンションは安心して快適に暮らせる我が家で合ってほしいと願っています。そのため、設備や建物、防災・防犯に対する管理意識が高いのはうなずけます。
一方で賃貸派の方の傾向は「管理」よりも「利便性」を優先する傾向があるようです。
こちらの記事では、分譲マンションの管理員の仕事内容を具体的に紹介しています。





「管理が良さそうだから」という理由で選んでくださった方々の期待に応えるのがりす丸の仕事です!
【現役管理員が分析】分譲 vs 賃貸:管理と暮らしの比較表
分譲派と賃貸派は、それぞれの生活に対する考え方の違いによって別れているのがわかりました。
それぞれの管理と暮らしの違いをまとめた比較表を作成しました。
| 比較項目 | 分譲マンション (所有) | 賃貸マンション |
|---|---|---|
| 住まいの主役 | 共同所有者(オーナー) | お客様(入居者) |
| 管理の質 | 管理規約により細かく実施 | 大家さんの予算と方針次第 |
| 設備のメンテナンス | 長期修繕計画を策定 | 事後保全が基本 |
| トラブル対応 | 管理組合・理事会で解決 | 管理会社が対応 |
| 資産価値の意識 | 価値を維持する意識 | 大家さんの意識に依存 |
| 防犯・セキュリティ | カメラや有人管理など強固 | 標準的な対応 |
| 近隣との距離感 | 理事会参画や行事がある | 住戸間のつながりは薄い |
※厚生労働省の「社会意識に関する調査」や国土交通省の「平成30年度マンション総合調査」などの資料をもとにした、りす丸なりのまとめです。
そして、これらのデータを踏まえると、分譲派・賃貸派それぞれの傾向が見えてきます。
| 分譲派 | 賃貸派 | |
|---|---|---|
| 人生の優先順位 | 安定・資産形成・質の高い管理 | 自由・変化への対応・身軽さ |
| コミュニティへの意識 | 長く付き合う「近隣関係」重視 | 「プライバシー」を重視 |
| 住まいの捉え方 | 手入れして守る「資産」 | 必要な時だけ借りるサービス |



分譲と賃貸の分かれ目は、ライフスタイルの違いにあるんですね。
「分譲」と「賃貸」のメリットとデメリット
ここまでのデータをもとにした考察や、りす丸の現役管理員としての経験から、「分譲」と「賃貸」のメリットとデメリットをまとめました。
分譲マンションのメリットデメリット
- 住民の定住性が高く、落ち着いた環境になりやすい
- 将来的な資産になる
- 防犯、防災に対する備えが充実している
- 間取りや設備を好みに応じて変更できる
- 管理規約などの守るべき決めごとが多い
- 買ったあとも管理費や積立金が必要
- 簡単に住み替えできない
分譲マンションは、一般的に建物全体としての防犯設備や共用部の維持管理に力が入り、安定した環境が保たれているのが強みです。
賃貸マンションのメリットデメリット
- 住み替えが簡単でライフスタイルに合わせやすい
- 初期費用が安い
- 修繕負担がない
- ルールが比較的ゆるい
- 住民の入れ替わりが激しい
- 設備や管理が行き届かない物件もある
- 資産にならない
- 家賃に加えて更新費用が定期的にかかる
賃貸マンションのメリットは、「身軽さ」と「柔軟性」です。
転勤・家族構成の変化・収入の変動といったライフステージの変化にも対応しやすく、
特に単身者や若い世代に選ばれやすい理由が、データからも裏付けられています。
一方で、居住者の入れ替わりが多く環境が不安定な点はデメリットです。
管理員の実感として、 居住者が安定しない物件ほど、ゴミ出しや騒音などのトラブルが起きやすいのも事実です。
現役管理員が実感「分譲と賃貸で起きやすいトラブルの違い」


分譲と賃貸それぞれのメリットとデメリットをご紹介しました。
また分譲と賃貸では、入居後に起きるトラブルの種類やじれ方も違うと強く感じます。
分譲マンションで起こりやすいトラブル
分譲マンションに入居して、まずはじめに実感するのは「管理規約」の壁ではないでしょうか。ようやく手に入れた我が家も、マンションでは守らなければならない決め事が山ほどあります。
- ペットの飼育ルール
- バルコニーの使い方
- 共用部分への使用ルール
といった管理規約・使用細則に関するトラブルが非常に多くなります。
初めて分譲マンションに入居した方は、「こんなにも自由がないのか…」と感じるかもしれません。
そして上下左右の近隣住戸とのトラブルも起こりがち。
特に「子供の足音」や「楽器・テレビ音」などの騒音トラブルは本当に頻繁に発生しています。



一度こじれると、「住民同士の感情」が絡むため、解決までに時間がかかりがちです。
分譲マンションで起こりがちなトラブルと対処法に関してはこちらの記事にまとめました。


賃貸マンションで起こりやすいトラブル
一方で、賃貸マンションでは「管理規約」のような決めごとが緩いのもたしか。そのため、日常生活の基本マナーに関するトラブルが多い傾向があります。
- ゴミ置場のルール違反(分別しない、指定日以外に出す、粗大ごみ放置 など)
- 共用廊下の使い方(私物の放置、ゴミのだしっぱなし など)
- 騒音問題(深夜まで出入りがある、大騒ぎをする など)
といった管理への関心の低さが、結果的にトラブルを増やすことも否定できません。



中には引越し時に粗大ゴミを黙って置いていってしまう方もいて、その対応に追われることも賃貸物件では少なくありません…
※これらは、実際にはマンションの立地エリアやグレードなどによって当てはまるとは限りません。あくまでもりす丸の経験からの実感です。
【チェックリスト】あなたは分譲向き?賃貸向き?


これまでの話を整理して、「分譲」と「賃貸」どちらに向いているかを確認できるチェックリストを作成しました。
- 30〜40代で家族構成がある程度固まっている
- 長期的に同じ場所に住む前提で考えている
- 管理費・修繕積立金を「必要経費」として受け入れられる
- 共同住宅のルールを理解し、守る意識がある
- 管理が行き届いた建物で安心して暮らしたい
- 資産としての側面も重視したい
- 転勤・住み替えの可能性がある
- 結婚・出産・独立など、今後の生活が変わる可能性が高い
- 住まいに「資産性」より「今の暮らしやすさ」を求める
- ローンや長期的な支払いに縛られたくない
- 修繕・設備トラブルを自分で抱えたくない
- ルールや近隣トラブルに神経を使いたくない
まとめると、
- 自由に動きたいタイプなら → 賃貸マンション
- 安心・快適を重視するタイプなら → 分譲マンション
という選択理由になります。
どちらが優劣ということではなく、あくまでも、ライフスタイルの違いによる使い分けですね。
やっぱり”分譲”マンションライフをおすすめします!


りす丸としては、やっぱり「分譲マンションライフ」が大好きです。
現役管理員として毎日いろんな住民さんと接しているけれど「快適さ・安心・安定した住環境」は本当におすすめです。
設備や管理が整っているので物理的なストレスは少ないです。ただ、管理組合の役員が回ってきたり、隣人との付き合いがあったりと「人付き合いのコスト」は分譲の方が必要。そこを楽しめるかどうかが、分譲で幸せになれる境界線だと感じます。
今は賃貸でも、将来分譲を検討するタイミングが来たときに「管理の視点」を知っているかどうかで選択は大きく変わるのではないでしょうか。
もちろん、賃貸が最適なライフステージの方が多いのも確か。 大切なのは“今の自分に合う選択”をすることです。
ただし、分譲マンションには、気をつけなきゃいけないポイントも少なくはありません。
マンションならではの要注意な落とし穴に関して、りす丸が実際に経験した“リアルなトラブル”を解説をした記事を合わせてお読みください。



この記事が、あなたの住まい選びのヒントになれば嬉しいです。もし「こんな時はどうなの?」という疑問があれば、いつでもコメントで教えてくださいね。
分譲VS賃貸に関するFAQ(現役管理員が回答)
- 分譲マンションに「賃貸」で住んでいる人もいますよね?その場合のルールはどうなりますか?
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結論は、住んでいる方は「賃貸の入居者」も守るべきは「分譲マンションの管理規約」になります。
一般的な賃貸専用マンションよりもルール(ゴミ出しや騒音、共用部の使い方など)が厳しいことが多いので、入居前に「使用細則」をしっかり確認しておくのが、トラブルを防ぐ秘訣です。 - 管理員から見て、「このマンションは管理が良いな」と判断するポイントを1つだけ教えるなら?
-
ズバリ「掲示板」と「ゴミ置き場」です。
掲示板の情報が古いままでなく、丁寧に整理されているか。ゴミ置き場に不法投棄が放置されていないか。これらが徹底されているマンションは、管理組合がしっかり機能していて、住民のみなさんのマナー意識も高い証拠です。内見の際はぜひチェックしてみてください。 - 分譲マンションを買いたいけれど、隣人がどんな人か不安です。教えてもらえますか?
-
個人情報の兼ね合いもあるので、具体的なことはお話しできません。
ただ、「どんな雰囲気の住民の方が多いか(子育て世帯、ご高齢の方、静かな単身者など)」といった、建物全体の傾向や活気についてはお伝えできる範囲でお答えしています。 - 賃貸マンションの方が、修繕費の心配がなくて気楽に思えるのですが……。
-
「エアコンが壊れた」「お湯が出ない」といった急なトラブルでも、電話一本で大家さんが直してくれるのは賃貸の大きなメリットですね。
分譲の場合は、室内の故障はすべて自己負担・自己手配。その「身軽さ」を優先して、あえて賃貸を選び続ける賢い選択をされている方もたくさんいらっしゃいます。 - 一生賃貸でいくか、分譲を買うか、いまだに決心がつきません。
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一生に一度の大きな決断ですから、迷うのは当然です!
迷っている間は「賃貸」で暮らしながら、自分たちが住まいに何を求めているか(立地なのか、広さなのか、資産性なのか)を時間をしっかりとかけて見極めてはいかがでしょうか。
無理に買って「こんなはずじゃなかった」となるのが一番もったいないですから。自分たちのライフステージが「今だ!」と動く時まで、じっくり考えてみてくださいね。




