【現役管理員が解説】マンション管理費は高すぎる?内訳・相場・見直しチェックリスト

現役管理員りす丸がマンションの管理費について解説をするイラスト

こんにちは、現役マンション管理員のりす丸です。
マンションに入居すると毎月「一般管理費」「修繕積立金」を支払わなければなりません。
特に初めてマンション暮らしをする方にとっては、

「この管理費って何に使われているの?」
「高すぎない?」

管理員のりす丸も「管理費を支払っているのに、設備トラブルや共用部の管理状態に不満を感じる」という声を耳にすることがあります。

今回の記事では、現役マンション管理員の立場から、一般管理費の基礎知識や使い道、金額の決め方、相場、値上がりの理由、節約のポイント、さらに理事会での管理方法やチェックすべきポイントまで、分かりやすく解説していきます。

本記事について

本記事は、特定の管理会社やサービスを推奨するものではなく、
現役管理員としての実務経験と一般的な管理組合運営の知識をもとに、
読者の判断材料を提供するための中立的な解説記事です。

目次

マンションの二つの財布「管理費」と「修繕積立金」

管理費と修繕積立金について考えているりす丸のイラスト

マンション住まいで必ず支払う「一般管理費」「修繕積立金」、銀行口座から毎月引き落とされるので両方合わせて「管理費」と捉えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、この2種類のお金は実は全然違うモノなのです。マンションにとって欠かせないお金ですが、例えるなら「日常の生活費」「未来のための貯金」です。

① 管理費(一般管理費):日常の生活費

マンションの毎日の生活を快適に、安全に保つために使われるお金です。
日常的な運営、維持管理、清掃、事務処理などに使われます。

② 修繕積立金:未来のための貯金

将来の大規模な修繕工事に備えるための貯蓄です。
10年〜15年に一度実施される、外壁の塗り替え、屋上防水、共用給水管の交換など、建物の大規模な修繕のために貯蓄しています。

今回は、日常の生活費「管理費」に関して詳しくご説明します。

管理費の内訳と節約チェックポイント

居住者が支払う管理費は、マンションの「運営」と「維持管理」という二つの目的で使われています。チェックポイントは、管理状況を把握するための一般的な確認例として参考にしてください。

マンションの運営にかかわる費用

一般管理費の内訳をイメージしたイラスト

1. 業務委託費

会計業務を「基幹業務」と呼び、管理費の銀行口座の管理や資金管理まで委託しています。また、清掃や受付コンシェルジュ、管理員、設備点検なども含めてマンションの総合的な管理をお願いしています。
ただし、委託する管理会社によって、対応体制や業務範囲に違いがあるのが実情です。委託する管理会社によって費用や管理も大きく変わってしまいます。

チェックポイント!

・管理会社の担当者は理事会以外にもマンションを訪問していますか?
・連絡をした際に、折り返しの返答はすぐにかえってきますか?

りす丸

管理会社の仕事レベルがマンションの快適ライフを大きく左右します

2. 人件費

管理員や清掃員さんなど、マンションで実際に働いている人たちへ支払うお給料です。管理方式によっては業務委託費の中に含まれていますが、マンションによっては別枠で計上されることもあります。
主な人件費は管理員や清掃員の勤務形態を見直せば管理費の節約につながります。

ただし、一番大切なのは人件費と必要な業務のバランスです。
私が勤務しているマンションでも、以前に管理員の欠員が出た際、一時的に清掃回数が週5日から週3日に減少しました。その結果、共用部の汚れに関する問い合わせが増え、管理会社・住民双方の負担が大きくなってしまいました

チェックポイント!

・管理員は笑顔で挨拶をしていますか?
・管理員や清掃員の最適なワークバランスを話し合ってみましょう

りす丸

りす丸は「管理員は必要」と言っていただけるように頑張っています!

3. 消耗品費

日々の清掃や点検、事務作業などで使う消耗品を購入する費用です。

  • 清掃用品:雑巾、洗剤、ゴミ袋、モップ、ほうき など
  • 事務用品:コピー用紙、文具、ボールペン、セロテープ など
  • 設備用品:電球類、養生テープ など

なかでも要チェックはコピー用紙電球類
コピー用紙は理事会や総会の資料作成や、各住戸へのお知らせの作成などで、思った以上に使用します。
また、電球や蛍光灯は、共用部の安全や防犯などからも欠かせません。
このコピー用紙と電球類の2種類で消耗品費用の6割以上を占めています。

チェックポイント!

・管理組合からの配布資料は多すぎませんか?
・共用部の電球はLED化されていますか?

りす丸

りす丸のマンションでは1か月でA4コピー用紙を1箱(5束)使用しています。すごく多い!

4. 備品費

備品費で大きな費用となるのが机や棚、収納用品、パソコンやコピー機、ホワイトボードや掲示板などの管理室の運営にかかわる備品です。
また、掃除機や小修繕に使用する工具防災用品なども備品費に入ります。
備品費用は、その備品が「管理組合」のものなのか「管理会社」のものなのかで大きく変わってきます。
「日常業務で使用するものは管理会社の備品」なのか「マンション管理業務なのですべてマンションの費用」なのか、この点は管理会社によってずいぶん考え方に違いがあります。

チェックポイント

・管理組合で「備品台帳」をしっかり作成していますか?
・購入した備品は理事会の議事録などで報告されていますか?

りす丸

備品は理事長の判断で購入している場合がほとんど、できるだけ住民参加でチェックしましょう

5. 雑費

雑費とは「どの項目にも入らない細かな費用」のことです。郵便代や印刷代、費用を支払う際の振込手数料などが含まれます。
また、マンションのイベントなどで使用する費用、例えばクリスマスの飾りつけやお正月のしめ縄や門松、鏡餅などの装飾品も雑費から支払われています。
その他の費用なので、見逃されがちですが実は要チェック!雑費の比率が高い場合には無駄な支出があるかもしれません。

チェックポイント!

・飲食代などの余計な費用は入っていませんか?
・イベントごとに費用明細が報告されていますか?

りす丸

雑費は見落とされやすいため、管理状況に差が出やすい項目だと感じています。

マンションの維持管理にかかる費用

マンションの維持管理に必要な管理費をりす丸が説明しているイアスと

1. 修繕費

マンションの共用部分が痛んだり、壊れてしまったときに直すためのお金です。照明の交換、フェンスの修理、ドアの調整、排水管の清掃など、さまざまな“ちょこっと修繕”がここに入ります。
大規模な修繕費用は「修繕積立金」として別会計で管理していますが、この費用を使用するには総会の決議が必要で手間がかかるので一般管理費の修繕費を使用しがちです。
マンションの築年数が経過すると、どうしても修繕費は多くなっていきます

チェックポイント!

・その修理、どうしても必要ですか?
・修繕費用は相見積もりをとって削減の努力をしていますか?

りす丸

日々の巡回で、不必要な修繕を減らすのも管理員の仕事です

損害保険料

マンション全体にかかる保険の費用です。火災や水漏れ、台風などの災害が起きたとき、修復にかかるお金をカバーしてくれます。また、共用部で事故が起こったときの補償も含まれます。近ごろは災害の増加もあり、保険料が年々上がりやすい状況です。だからこそ、理事会が保証内容をしっかり確認して、無駄なく安心できるプランを選ぶことがとても大切です。

チェックポイント!

・マンションの規模と保険料は合っていますか?

りす丸

管理組合が加入している損害保険の補償範囲をしっかりと確認しておきましょう

3.水道光熱費

共用部の水道や電気、ガスなどの使用料です。
マンションの広さや設備になどによって違いがあります。会議室やキッチンを備えたサロン、コミュニケーションスペースの有無などによって違いがありますが、ほぼ毎年同じ金額になります。
共用部の照明をLED化すれば、電気料金は大幅に軽減できます。

チェックポイント!

・前年と比較して高くなりすぎていませんか?
・明るい昼間も照明がつきっぱなしになっていませんか?

りす丸

水道料金が高くなりすぎていると、どこかで漏水している恐れがあります!

マンションの管理費の相場は?

国土交通省「令和5年度マンション総合調査」によると、
全国平均の管理費(駐車場使用料等を除く)は月額約11,500円です。
ただし、これはあくまで平均値。マンション規模によって大きく差があります。

マンション規模管理費相場(月額)戸数が少なく割高
小規模(20~70戸)約14,000円戸数が少なく割高
中規模(70~200戸)約9,540円コスパ良
大規模(200戸以上)約12,929円豪華設備で高額化も

平均値としては大規模マンションのほうが管理費が安くなる傾向があります。しかし、大規模マンションほど設備が豪華になる傾向があり、管理費が高額な物件も少なくはありません。結果として管理費の相場は統計上の平均値よりも高くなっています。

りす丸

月々の管理費を抑えるのであれば、中規模マンションがおすすめです

管理費が見直されるケースが多い理由

管理費の値上がりを心配しているりす丸のイラスト

管理費は、築年数の経過や物価上昇により、将来的に見直し(値上げ)が行われるケースが多いです。

人件費・光熱費の上昇
② 設備更新に伴う費用増
③ 物価上昇による消耗品・備品の値上げ

これらが主な要因ですが、最近の物価上昇を考えてもある程度はやむをえないかもしれません。ただし、「去年値上げしたのにまた今年も値上げ?」といったように、短い間隔で値上げが続くようでは、理事会の管理状況をチェックしたほうが良いかもしれません。

新築時の安値設定(デフレ管理費)

そしてもう一つの理由が、「新築販売時には管理費が安く設定されている」ということです。
物件を販売したいがために、新築当初は一般管理費や修繕積立金を安価に抑えて、数設定されているので、数年もたつと値上げをしならないような状況に落ちいてしまうことも少なくありません。
もしもこれからマンションの購入を検討しているのであれば、上記の相場と照らし合わせて妥当な金額になっているのかをチェックしてください。

【現役管理員直伝】管理費のムダを知るためのチェックリスト

管理費のムダを住民とチェックしているりす丸のイラスト

それでは管理費にムダがあるかどうか、どうやって確認すればばよいのでしょうか。
これはとても難しい問題です。
そこで、現役管理員のりす丸から管理費のムダを発見する4つのサインを提案します。

①管理会社の担当者の名前と顔が一致している

管理会社の担当者の顔と名前が一致するのは、その担当者が熱心にマンションの管理をしているサインです。

②理事会の議事録は毎回発行されている

毎回実施される理事会ごとに議事録が発行され、その中に毎月の収支がしっかりと掲載されていることが重要です。

③修繕工事が頻発していない

マンションには修繕工事はつきものです。しかし、毎月どこかを修繕しているようでは少し問題があるかも。適切な点検がされていないと、結局は修繕費の増加につながります。

④管理費が赤字になっていない

これはもう、当然です。もしも赤字になっていたら、安易な管理費の値上げよりも、ムダの削減を住民全員で話し合う必要があります。

マンションの管理費に関しては理事会が管理していますが、予算の立案や実行、決算は実質的に管理会社が行っています
重要なチェックポイントは、その管理会社がしっかりと節約を心がけているかを見極めることです。

4つのチェックポイントのなかに気になる項目がある場合には、管理費のムダが発生しているかもしれません。

まとめ|管理費はマンションを守る大切なお金

管理費について住民と話し合っているりす丸のイラスト

管理費は、マンションの安全・快適さ・資産価値を守るためのお金です。

しかし現役管理員のりす丸は、あまり関心がない住民がとても多いと感じています。その反面、いざ値上げとなると怒ったり反対したり、そんな光景を何度も見てきました。

物価や人件費の上昇を考えると管理費の値上げは避けられないのかもしれません。
大切なのは住民みんなが関心をもって、管理費の最善の使い方を考えることではないかと思います。

りす丸は管理員として、「自分たちが住み続けるマンションを大切にしたい」という住民の方々のお手伝いを精一杯したいと考えています。

目次