【現役管理員が解説】マンションに管理員は必要?~住まいの安心を守る“見えない仕事”の本当の価値~

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こんにちは、現役マンション管理員のりす丸です。
東京都内の大型マンションに、常駐管理員として朝8時から夕方17時まで、週5日現場に立っています。
「マンション管理員って、普段何しているの?」、これは 住民の方からよく聞かれる質問です。

  • 掃除している人
  • 受付に座っている人
  • 何かあったら呼ぶ人

多くの方は、そんなイメージをお持ちではないでしょうか。
実は、私自身もこの仕事に就くまでは、深く考えたことがありませんでした。
しかし、5年以上現場で働いてみて確信しました。 マンションに管理員は“必要不可欠な存在” です。
この記事では、現場だからこそ語れる「管理員がいる価値」を、できるだけわかりやすくお伝えします。

目次

マンション管理員の5つの基本業務

マンション管理員の5つの業務のイラスト

マンション管理員の主な仕事は次の5つです。

  1. 巡回点検:設備や施設の異常がないかを定期的にチェック
  2. 日常清掃:共用部(エントランス、廊下、階段、ゴミ置き場など)の清掃
  3. 住民対応:問い合わせや要望への対応、トラブルの初期対応
  4. 業者対応:修繕や点検業者の立ち会い、鍵の管理など
  5. 報告・連絡:管理会社や理事会への報告、業務日誌の記録

そして実はマンション管理員の最も重要な存在意義は、実は”マンションに居ること”、つまり常駐していることなのです。
“いつでもそこに人がいる”という安心感は、防犯・トラブル対応・設備保全などあらゆる場面で効力を発揮します。

マンション管理員が常駐しているメリット3選

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マンション管理員には「巡回型」と「常駐型」があります。
今回は、私のような常駐型管理員がいることで得られるメリットを3つご紹介します。

①心理的抑止力になる

ここ数年、マンションに出入りする外部の人はネット通販フードデリバリーなどの増加などにより大きく増えています。

ほとんどの業者方はマナーを守りますが、中には
「勝手に共用部に置く」
「注意しても無視する」
といったケースが増えているのも事実です。
管理員は毎日の挨拶や対応を通して、 住民・業者・配達員の顔を自然に覚えています。
そのため、

  • 見慣れない人物が長時間うろつく
  •  不審なものを持ち込む
  •  ルールに反した行動を取る

そうした“違和感”にいち早く気づくことができます。
そして、すぐに丁寧に声をかける。
この「人の目」「声かけ」が、マンションの安全に大きく寄与するのです。
カメラやオートロックだけでは防げないトラブルも、“そこに人がいる”ことが最大の防犯対策 になります。

②設備の異変にすぐ気づける

マンションには多くの設備があります。

これらは専門業者が定期点検を行いますが、頻度は「年1〜2回」のものがほとんどです。
では、“その間”に起きた異変は誰が気づくのか?
答えは管理員です。
管理員は、毎日廊下を歩き、設備のそばを通り、目で見て、音やにおいを感じながら仕事をしています。
だからこそ、

  • いつもと違う振動
  • 微妙な異音
  • 焦げたような異臭
  • 水漏れの兆候

こうした“わずかな変化”にいち早く気づけます。
もし異常が放置されれば、修理費は数十万円〜百万円単位になることも珍しくありません。
早期発見は、結果的に住民みなさんの管理費の節約にもつながっています。

③住民の「困った」にすぐ対応できる

「管理会社に連絡したけど返事がない…」
「担当者が来るまで数日かかると言われた…」
こんな声、実はかなり多いです。
そんな時こそ管理員の出番です。

・住民の困りごとのヒアリング
・管理会社への連絡と状況説明
・必要な業者の手配
・理事会への報告

“現場にいる唯一のスタッフ”だからこそ、 スピード感を持って動けます。
管理会社から派遣されているといっても、 管理員は住民に一番近い立場です。
相談窓口として気軽に頼っていただいて構いません。

りす丸

困った時はりす丸のような管理員に、ぜひ相談してください。

管理員の仕事は「マニュアル外」が半分以上

管理員の業務は、国土交通省の「マンション標準管理委託契約書」に基づいています。
そこには、以下のような業務が記載されています。

マンション標準管理委託契約書に規定されている管理員業務

①受付等の業務
②点検業務
③立会業務
④報告連絡業務
(参考:国土交通省「マンション標準委託契約書」

しかし実際に仕事をしてみるとマニュアル業務以外の仕事が全体の半分以上、管理会社から支給されたマニュアルを守っていては仕事になりません。
たとえば──

契約上のマニュアル実際の現場でおきていること
要望は管理会社に伝えるだけ解決するまで住民と業者の調整を継続
理事会準備は書類のコピーのみ議題の整理、助言、管理会社とのすり合わせ
イベントは業務外防災訓練、クリスマス会などの準備〜当日運営        
トラブルは初期対応のみ住民同士の調整、記録作成、報告まで実施

なぜここまでやるのか?
理由はシンプルで、住民が困っているのを放っておけないから。

管理員は現場にいる“唯一のスタッフ”
だからつい、契約以上のことに手を伸ばしてしまうのです。
ただ──
「当たり前」だと思われると、正直ちょっと切ない時もあります。
もう少しだけ、管理員の存在を気にかけてもらえたら…  そんな気持ちも、少しだけ本音として添えておきます。

りす丸は単純で「ありがとう」の一言で「また頑張ろう」と思えるんです。

最後に:管理員は“人件費”ではなく“安心への投資”

マンションの快適な暮らしを陰で支えるのが管理員です。

・トラブルを未然に防ぎ
・設備の異変に気づき
・住民の相談を聞き

そして、契約外の細かな雑務まで黙々とこなす
その多くは“誰にも気づかれない仕事”です。
だからこそ、時々でいいので「いつもありがとう」と声をかけてもらえたら、それが何よりの励みになります。

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